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高森明勅
2015.11.23 07:53

靖国神社で勉強会の翌日…

11月22日、靖国神社の啓照館で靖国神社崇敬奉賛会青年部
あさなぎ」の勉強会。

これまで主に戦争体験者の方々の体験談を伺ってきた。

今回は、靖国神社の歴史を学ぶ。

第1部は、靖国神社創建の“前史”から現代迄の歩みを、
私が以前『歴史人』(平成26年5月号)
に書いた文章を元に90分、
講義。

しかし時間切れで、終戦以降の話に及べなかった。

第2部は靖国神社の小方権宮司から、
昭和天皇が最後にご親拝になった昭和50年当時の様子を30分、
ご自身の体験を元に語って頂いた。

実に貴重なお話。

天皇陛下が神社内でお使いになる調度品なども皆、
宮内庁がその為にわざわざ運び込む、といった珍しいお話も。

この企画、実は私の提案で実現した。

お受け下さった小方権宮司に深く感謝。

第3部は60分、質疑応答。

しばらく、小方権宮司への質問が続く。

参加した若い諸君も、天皇陛下のご親拝の作法などに興味津々。

以前は靖国神社の例大祭には自衛隊や警察、
消防の音楽隊が普通に
音楽を奉納していたのに、
次第にそれがやりにくくなり、
警視庁が最後まで協力的だったものの、今では大学生の奉仕に変わった
という話題も。

その後、少し時間の余裕があったので、中途半端になっていた
私の終戦以降の講義を補足し、
時間一杯になんとか収めた。

私としても初めての試み。

時間の制約で、駆け足の解説になったのはやむを得ない。

手前味噌ながら、一般の若者がこのような内容を学ぶ機会は、
めったにないはず。

普通ならこの後、懇親会もあるのだが、翌23日には靖国神社でも
新嘗祭。

だから神職の皆さんは、それに備えて参籠(さんろう)される。

なので、懇親会もなく早々に解散。

…ところが翌日、靖国神社南門の公衆トイレで爆発。

幸い怪我人はいなかった。

だが、戦没者の慰霊・顕彰の「聖地」において、何たること。

やや前にも、神門への放火や、今回と似たような事件があった。

断固、犯人を検挙して欲しい。

靖国神社の境内は広く、かつ開放的。

人も多く集まる。

ゲリラ事件への対応には難問山積だ。

非力な私には何も出来ず、無念。

せめて、靖国神社への無知による誤解や、底意ある曲解などを
是正する為に、力を尽くしたい。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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